2010年12月18日

どうしても松山に注目してしまうエイズ学会レポート予防啓発編とか。

少し間が空きましたが、学会報告シリーズの第4弾は社会分野からMSM(男性とセックスする男性)を中心に予防啓発についての話題をピックアップします。
例によって長文ご容赦ください。


今回注目していた「地方都市における啓発プログラム」のシンポジウム。いつもこのてのシンポジウムは、他の重要課題と同じ時間に組まれてしまうのですが、今回はしっかり参加することができました。

今回パネリストとして発表を行ったのはWAVEさっぽろやろっこ横浜CruiseHaaTえひめの各団体で、座長は「エイズ予防のための戦略研究」に関わっている東京と大阪の二人という構成。
非常に馴染み深く、またどこかでお見かけした顔が並ぶというシンポジウムでした。
ちなみにこのシンポジウム以外の演題では福岡のLove Act Fukuokaや沖縄のなんくる、また名古屋のANGEL LIFE NAGOYAのイベントとしてNLGRもMSMなどの演題で取り上げられていました。

各団体で行政との連携について何かしら話があったりしたのですが、やろっこは仙台市とは関係が良いが宮城県とはまだ連携は深くない。HaaTえひめは松山市とも愛媛県ともうまいことやっている。この違いがひとつのポイントになっている気がしました。つまり、「その団体はどこまでカバーするのか」ということです。
市から助成を受けると、それは市のために使うお金、ということになります。しかしながらMSMのコミュニティが必ずしも行政区分に合わせて組まれているわけではありませんから、NGO側が感じている必要な規模と、行政が手を出せる規模とが食い違うことはあります。

そしてそれ以上に困難さを醸し出すのは、「ゲイ向けの活動に税金から金を出す」ことについてはまだ抵抗感が根強く、1つの自治体を説得するだけでも大変なのに市の次は県、あるいは隣の市、といったことをしていくのはNGOの負担がとても大きいということです。実際のところ、やろっこさんはなかなか難しい中活動している様子がうかがえました。
あと、個人的には、地元の方はどうかわかりませんが、遠目に見ているとやろっこの活動は見えるんですがその母体である東北HIVコミュニケーションズの活動が同時に見える、ということが少ないんですよね。もっと予防と支援の両方の部門を持っていることの強みが見えると良かったなぁと思いました。これは僕自身の活動への反省でもあるのですが。

さて、愛媛の状況は全く違います。HaaTえひめのサイトではこんな紹介がされています。

◆◇◆◇◆
HaaTえひめが実施する事業は、行政などからの公的資金や個人からの寄付金などによってまかなわれています。
◎愛媛県エイズ予防啓発委託事業(H19年度〜)
◎公益財団法人 トヨタ財団 地域社会プログラム(H22年度〜)
 【※松山HIV/AIDS予防啓発コミュニティ協議会(プロジェクト実施主体:HaaTえひめ)】
◆◇◆◇◆

松山HIV/AIDS予防啓発コミュニティ協議会には市からも県からも参加がある上に、HaaTえひめが主体となって協議会を仕切っていて、協議会の名前でトヨタ財団の助成を申請したら通りました、ということです。
こんな展開は日本では都市部だってありません。自治体の規模に対して提供できる取り組みの大きさと言う点では、松山は日本でも有数の成功事例だと思います。

ただし、別の意味での困難さが松山にはあります。四国には陽性者支援団体が無いのです。一番近くて有名どころと言うと瀬戸内海の向こうの広島になります。質問を投げてみましたが、やはりこの部分は課題としてどうしても残るようでした。
とはいいつつも、12月5日にはLiving Together Cafeとして陽性者の手記のリーディングやライブのイベントを開催して、Living Togetherというメッセージを打ち出す試みもはじめられたようです。35人参加したとスタッフさんからツイッターで教えてもらいましたが、なかなかの集客じゃないでしょうか。

シンポジウムの後で座長の方とも話をしましたが、都市部は団体の規模もあるけれどもMSM人口やMSMの中での多様性も幅広いので、都市部は都市部で問題を抱えているし、地方の取り組みから学ぶことがたくさんあるので、今回は地方を取り上げたけれども、都市部の活動と課題にフォーカスしたシンポジウムもしたいね、なんて話をしました。


学会の期間中、いくつかのセッションでは、日本人成人全体のHIVの罹患率は0.02%とかだけれども、MSMの間ではMSM人口をどのくらいに見積もるかによるけれど1%は超えているのではないか、という話が出ていました。実際にMSM向けの検査イベントや各種調査でも、数字はばらつくものの、MSMはやっぱり罹患率の高い層。しかしその一方で、MSMを前面に出すと公的予算がおりにくかったりする現実もあるわけで、そのあたりの工夫はもちろん、行政に関わる人でMSM向けの活動に熱心な方のメッセージが伝わることも大事なんじゃないかな、と全体を通じて感じました。今回は神奈川の保健所勤務医である中澤先生や、「エイズ予防に関する戦略研究」が今年度で終了するにあたって次年度以降の事業化などに言及された名古屋市立大学の市川先生あたりがMSM関連のセッションでたくさん発言されましたが、それこそ仙台や松山、福岡などの行政の方の話も聞きたいなぁという想いが強くなりました。


さてまた文章ばかりなので、最後にちょっと学会のグッズなどもご紹介。
製薬会社がブースや共催しているシンポジウムなどの場でグッズを配るんですね。


ボールペンとトートバッグ.jpg

アボットジャパンのトートバッグはロゴが控えめで使いやすい感じです、手に持っているのはヴィーヴィヘルスケアのボールペン。

レイアタッツフォルダ.jpg

これちょっと凝っています。ブリストル・マイヤーズのセミナー資料なんですが・・・・。

レイアタッツフォルダ見開き.jpg

開くとレポート用紙つき。学会っぽいですよね。

ちなみに、違う意味の学会グッズとして、某似ぐま絵師が上記のシンポジウムのパネリストの似ぐま絵を描いていて、シンポジウム後に手渡していました(それはグッズなのか・・・・?)。
posted by sakura at 23:58| Comment(0) | TrackBack(0) | ボランティア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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