2009年12月31日

自分の基盤を見つめなおし続けた2009年とか。

今年最後の更新となりました。

26日の演奏会は無事に終わりました。久々に長時間ステージで演奏する機会となりましたが、昔に比べて体力が落ちたなぁという思いもありつつ、満足のいく演奏はできませんでしたが、2009年に区切りをつけるという意味では参加してよかったと思っています。

2009年はよくよく考えると00年代の終わりで、そのうち80年代、90年代というような区切りで語られるようになるのでしょうが、僕にとっては活動の幅を広げて来年につなぐ年だったのかな、と感じています。

講演っぽいことをはじめて人前で話をすることが増えたり、パレード以外で楽器を演奏する機会も増えて、自分の時間の多くを様々な活動に使って、それでもある人を大切にしたいという気持ちに正直に、不安定な体調ながらも一年間走ることができたように思います。

その中で、たくさんの方に支えていただきました。ブログ自体は更新もレスポンスも滞りがちで失礼しました。
来年も相変わらずあわただしくしている僕なのではないかと思いますが、どうしようもねーなー、と思いつつ温かく見守っていただければと思っておりますので、今年同様よろしくお願いします。

2010年は、今年広げた活動を自分の生活の中でうまく組みながら、オフィシャルなこともプライベートなこともやっていけたらいいなぁと思っています。同時に少し整理も必要になるのでしょう。僕のベースになっている様々な活動において、これからのスタンスをきちんと考えていきたいなぁと思っています。

それでは、すでにこのパターンは4回目となりますが、今年も画像で締めたいと思います。
2010年が皆様にとって素晴らしい年になることをお祈りしております。

2010年もよろしく.jpg
posted by sakura at 21:00| Comment(5) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年12月24日

蝶ネクタイで黒服の髭男が皆様のお越しをお待ちしていますとか。

タイトルでわかると思いますがもちろん告知です。

前の記事までに連続でアップしたエイズ学会明けから、急激に吹奏楽モードに突入していたのですが、この週末いよいよ本番です。
選曲がとてもヤバくて仕事どころではないくらいです(爆)。

今回は僕は途中ピッコロホルンなんかも使う予定ですので、よろしければぜひぜひお越しくださいませ。

-----------------------------------------
Brass MIX! presents 【Encore!】

日時 12月26日(土)18:00開場・18:30開演
入場無料
場所 国立オリンピック記念青少年総合センター カルチャー棟 大ホール
http://nyc.niye.go.jp/facilities/d7.html
どなたでもお越しいただけます。

曲目
交響曲第9番より第4楽章「歓喜の歌」(ベートーベン)
・・・そしてどこにも山の姿はない(シュワントナー) ほか

※会場に設置する募金箱(こちらから強制的に募金をお願いする者ではありません。)に集まったお金はユニセフ/厚生労働省/みどり基金を通じて必要とされている方々に寄付をさせて頂きます。

※当日ぷれいす東京様から生島氏をお招きし、ゲイだけではく一般の方にもわかりやすくHIVとの向き合い方をお話しして頂く予定です。
posted by sakura at 20:07| Comment(0) | TrackBack(0) | みんなでブラス/BrassMIX! | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年12月22日

支援の意味を見つめなおすエイズ学会3日目とか。

今年もがっつり長文、エイズ学会報告の最終パートです。

ちなみに会場の外観はこんな感じでした。

名古屋国際会議場.jpg


最終日のスタートは、昨年は一部に強烈なインパクトを残し荒れた空気で終わった一般演題、ソーシャルワーク。
手帳の取得に関する演題が2つありましたが、そのうちひとつは高知大学病院で、昨年の地方医療のシンポジウムで資金の潤沢さをアピールしていた病院だったので興味深く見ていました。
高知大の発表は調査期間が2008年4月から2009年5月。昨年秋の治療の手引きの改訂で投薬の目安とするCD4の値が200から350になったので、手帳取得のタイミングの考え方が変わった中での対応についてもう少し突っ込んでいても良かったかも、と思いました。
去年の改訂のときに、例えば今330くらいで安定している人とかは悩むだろうな、と思いましたが、多分実際にはそんなに急には心構えができていなくて、結局すぐ投薬はしたがらないだろう、と想像していたのですが、今回出てきた数字でもおそらくはそうした層は投薬に踏み切っていないんじゃないかな、という気がしましたし、患者本人も服薬を望んでいないのではないかとも想像しました。
僕の知る範囲でも、330くらいで服薬無しで安定してしまっている人は服薬したがらない人もいます。ガイドラインの改訂とはいっても患者側の治療の選択を強制することはできないので、逆にそこに患者の意思が働いているなら良いと思います。
あと、医療費の問題があるので、「2級がとれるまで取得を待ちたがる陽性者」の存在の有無に踏み込んでも良かった気がしますが、さすがに病院としての調査では難しいかもしれませんね。

土曜日なので普段サラリーマンをしているスタッフも朝から参加しやすいからか、ここから陽性者支援系の一般演題が立て続けに出てきます。まずは陽性者支援1。
ここでは琉球大学病院の照屋先生の質問が秀逸でした。「会場に来ているゲイの人に、ゲイの方ですかと話しかけていいものか」という疑問を投げかけられたのです。
陽性者が学会に参加するためのスカラシップがあるおかげで、一般参加するゲイの陽性者がたくさんいるというのがエイズ学会の最大の特徴です。そういう人と交流をはかる場として機能したほうがいいのではないか、というのが真意のご質問だったのですが、緊張されていたのか実は質問を投げかけたときはその意図が伝わらなかったのです。
でもこの方、実はこの会場にいること自体がすごいのです。本当は臨床医の人こそ陽性者支援の演題に来るべきなんじゃないかなぁ、というのはずっと思っていたのですが、今回の学会は裏番組が「副作用」「臨床検査」「悪性腫瘍」というまさに臨床ゴールデンタイム。まさか臨床医がここに来るとは思っていなかったので、これはすごい人かも、と思ったわけです。
もちろん特攻して質問の真意を聞いて、お互いに考えていることを述べる時間を作りました。
良く考えたら、琉球大学病院の先生がゲイとのコミュニケーションができていないとは思えないので、その点からも質問の真意が聞けてよかったです。

演題は陽性者支援2に進みます。
6つのうち5つは電話相談で、ぷれいす東京(×3)、りょうちゃんず、POSP(陽性者サポートプロジェクト関西)の発表でした。
最初ちょっと思っていたのは、ぷれいす東京の「感染不安の電話相談」は何故この枠に入っているのかと言う疑問でした。感染不安なのですから、クライアントは陽性者ではないので、陽性者支援の枠に入れるのはどうだろうと。
でもあとからあるキーワードが出てきて、その疑問は解消しました。
そのキーワードは、「支援の連続性」です。何人かお話した方もこのキーワードにひっかかっていたように感じました。
感染の不安を持っている人の中にはある程度実際に感染している人がいることと、「怖くて検査にいけない」という人がいること、この2つを重ね合わせると、実は感染不安の電話相談は同時に「陽性の人が自分が陽性だと気づくための支援」になっていることもあるのではないかと思ったのです。また、感染不安の電話相談の中で陽性だった場合どうなるのかを聞く方もいるわけで、それは告知直後の行動を左右するものになるかもしれません。
支援と言う言葉の深さを感じる演題でした。

そして最後に就労支援。
昨年から登場した一般演題ですが、不況下での調査だけに調査結果とHIVを単純に結び付けていいのかはまだ手探りな感じがします。
あとこれは年齢分布上仕方が無い部分はあるのですが、新卒の就労の話がなかなかスポットが当たらないですね。
どちらかというと陽性告知後の離転職にどうしてもクローズアップしてしまう傾向があると思います。
ただ、新卒の就労に関する調査って本当は今から調査しないと年次の傾向を見ようにもデータが出ないことがあるので、そのあたりどこかフォローしているといいなと思うのですが・・・・。

全体の最後に参加したのが「HIV感染対策におけるパートナーシップ」のシンポジウム。aktaの運営をしているRainbowRingの代表でもある佐藤先生が座長でした。
今年はMSM向けの予防啓発に絞った形で、Love Act Fukuokaにも関わっておられる九州医療センターの山本先生が登場。お話がわかりやすくてよかったです。
でも聞いていて段々、これって別にMSM分野だけじゃないよね、って気持ちにだんだんなってきました。
どこかで業務にとても役立ちそうなセミナーが開催されていても、勤務時間扱いでは絶対いけなくて、有給休暇で行けといわれてしまいう、ということが公的機関の職員の方だとよくあります。専門的であったり特定のコミュニティに特化したNGOと「協働」が成立すると、その機会が生まれるという点は素晴らしいのですが、こんどは協働した部署で留まってしまうことが多くて、あとから別の部署での研修内容を知って「そんな研修やってるなら声かけてよ〜」って話になったりする、なんてことも耳にします。まさに縦割りってこういうことを言うんだね、って感じです。
既に様々な福祉の現場で「専門的な支援ができる団体が連携する」ことの重要性はさんざん指摘されているのですから、NGOとの協働がきっかけになって、自治体内でも横の連携を働かせた具体的なアクションに結びつくといいなぁと思いました。


というわけで充実した学会でした。
そして来年は東京開催。なんと、会場は高輪のプリンスホテル!
そんなところでゲイイベントが!(何度も重ねて申し上げている通り、日本エイズ学会はゲイイベントではありません)
来年は11月最後の水・木・金の3日間です。
頑張って有給とりたいと思います。
posted by sakura at 23:59| Comment(2) | TrackBack(0) | ボランティア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年12月21日

世界と日本の差を考えるエイズ学会2日目とか。

2日目の報告です。

今回の会場にはNGOのブースがたくさん出展されていて、僕が関わる団体も並んでブースを出していました。

NGOブース.jpg

そんな展示ホールの片隅にも実は講演のためのスペースが用意されていていました。ビッグサイトの展示会なんかでも見かけるレイアウトです。
2日目はまずその会場でのラウンジセッション、「オーストラリアのHIV陽性者の調査から導き出されること」から聴くことにしました。
オーストラリアでは定期的に陽性者向けの調査が行われており、しかも研究者と陽性者の立ち位置がとても近いので、政策提言などにも有効なデータが得やすい環境にあるとのこと。これはとてもうらやましい話です。
支援団体に属しているということは自然と研究者の方との距離感はかなり近くなります。コメンテーターの放送大学・井上先生も指摘していたように、調査結果が政策に反映されるという流れが日本ではまだ希薄で、それどころか学会に行ったり刊行物を読んだりしないと調査対象に調査結果がフィードバックされないことさえあります。このブログなんかも、調査結果をふまえつつこんなことやってます、みたいなことを個人的といいつつ書いたりしていますが、オーストラリアのように政策に反映されるという形で調査結果を実感できるなら調査そのものへの参加意欲も変わってくるはずですし、研究者のモチベーションも上がってよいこと尽くめだと思いました。
調査の環境がそのレベルになるには日本はあとどのくらいかかるのか、と考えてしまいます。

シンクタンク的な役割を担うにはどうしたらいいのか、という課題を引きずって、会場に居残る形で次のセッションに。「エイズ予防財団はどう変わるのか」がテーマです。
前のセッションの流れをもろに受けて、おそらくシンクタンクにならなければならないエイズ予防財団のセッションですね。
法改正の結果、公益財団法人を目指すことになったエイズ予防財団ですが、別にこの団体、予防だけやっているわけではありません。ボランティアの研修やったり、いろいろな各地での啓発活動を後援していたり、地方での陽性者向けの相談事業の助成をしていたりします。
でも、見えにくい団体なんですよね。しかも財団専従の理事は全く矢面に立つ気が無く、苛立ちを感じながら見ていました。
むしろこのセッションは出席者がまさに業界著名人の皆様で、薬害発覚当時から第一線で活躍されていた臨床医の先生、様々なエイズ関連研究の主任研究員の方、関連NGOの代表やスタッフなどが集まり満席になる盛況ぶりで、財団関係者にプレッシャーをかける会になっていた気がします(まあそれでいいんだと思います)。
ちなみに陽性者のスタッフをそろそろ入れたいという意向があるようです。といっても、諸外国から見れば、まだいなかったのか、と言われてしまうのでしょうが・・・・。

そんな重い気分を振り払って、アルトマーク賞講演に。
アルトマーク賞はHIV関連研究と学会の発展に貢献した方に送られる賞で賞の名前はスポンサーになっている医薬データベースの会社名からとっています。
今回は日頃お世話になっているぷれいす東京の池上代表が受賞されたので、多数の関係者から記念講演に行くようすすめられたのですが、講演内容はハワイでのHIV対策がアメリカ全体で優秀なモデルケースとして評価されるまでの歴史的な内容と、そこから見える啓発活動に必要なものというお話で、とても興味深い内容でした。
多様性の受容とかコミュニティとの協働、予防とケアの連携とか、今日本での様々な活動で必要性を叫ばれている事柄がすでにハワイでは十年以上前から組みあがっていたのだなぁと。
朝のオーストラリアのセッションもそうでしたが、海外事例で学んだことをどう日本の環境に取り入れるか、は難しいけれど国内の活動がステップアップするために必要なことかなと思いました。

続いては挑戦的なタイトルのシンポジウム「HIVは本当に慢性になったのか?」へ。こちらも盛況でした。
僕は睡眠障害(睡眠時無呼吸低呼吸症)を持っていて、慢性疾患と言う言葉にあまり安堵感を感じないのですが、慢性疾患と言う言葉は医学的な見解に加えて、そもそも死のイメージに囚われてしまいがちな当事者に向けて意図的に発信された言葉であることが述べられました。つまり「わざわざ慢性疾患と言う表現を使う必要がある病気」なわけです。
睡眠障害の場合、死のイメージはないわけではありませんがむしろ日々の生活の質が低下することが大きいです。そこに慢性疾患という言葉を与えられても安堵にはならず、治療が終わらない病気と言うイメージを強調された感じがするんですよね。
この言葉一つとっても受け止め方が変わるので、医療の現場での「言語表現」の難しさを感じたことがまずひとつ。
それから、地域の陽性者団体であるLIFE東海の認知が広がるのはいいことだな、という思いがありました。エイズ学会が日本各地を渡り歩き、大都市以外での開催も視野に入れているのは学会開催をきっかけに地域での啓発が広がるという意味合いもあるからだそうです。そういう意味でも地域の当事者がプログラムで登壇することに重要な意味があると思いますし、今後東北、北陸、四国、沖縄などでも開催されるといいなぁと感じました。
あと、偏見や社会生活と言う点では、HIVはとても間違った認識をされている疾患なので、何ゆえそんな間違いが起きているのかの研究が必要なのかもしれないとちょっと感じました。HIV陽性者の受け入れを拒否する施設の話は、僕もこれまでにもいろいろな場所で聞いたのですが、昔聞いた話ですごい断り方がありました。
「必要な設備がありません」
何が必要なのかいってみろって感じですが(おそらくその場でも絶対そのように反論されているであろうと思います)、このあまりの下手な言い訳は偏見と言うより知識不足だなって気がするんですよね。
そんな中ではばたき福祉事業団の太平さんから出た「自らもハンディキャップを持ちつつも、温かい社会福祉の担い手になる意識」という点には仕事柄エンパワメントされた気がしました。

次は毎年欠かさず出席している、薬害の一般演題です。毎年参加者が減っている気がしてちょっと残念に思うところがあります。
発表の中で「自分の病状を認識していない当事者」についての調査があったのはとても面白く感じました。最新のCD4の値や自分の血友病の状態をアンケート調査したときに「わからない」と答える層に注目して、それらの質問に「わからない」と答えてしまう人の健康管理への意識などを分析する調査だったのですが、やはり健康維持のための行動などの点で意識の低さがしっかり数字に出ていました。
薬害と言う背景があるので、医療への信頼度とか薬への信頼度も性感染の当事者とは比べ物にならないくらい信用していない人もいます。でも僕が知る限りとても円滑に医療者とコミュニケーションしている人もいて、疾患の受けとめって本当に大事だなと毎回思います。無理に受け止めようとするのもまたいかがなものかと思いますが。
薬害と血友病はとても奥が深いしHIVとは切り離せないトピックなので、HIVに関連する活動をしている人にはもっと来て欲しい演題ですね。

続いてMSMの一般演題。こちらは盛況でした。そんなことだからゲイイベントとか言われるんですよ(言っているのは僕です)。
冒頭の名古屋医療センターの予防活動に関する陽性者調査は、演題の内容をチェックしていたときから興味を持っていました。思いっきり質問したりしましたが、菊池先生の回答も素晴らしく、この枠が終わったあとでも少しお話させていただけて良かったです。
HIVの予防の活動でいろいろなメッセージが発信されますが、はっきり言ってHIVに関する情報を一番求めているのは陽性者と感染不安の人(当然中には陽性者に変わる人がいる)なので、絶対予防のメッセージもそこへ届くんです。だからこそ配慮が欲しいということでもあり、また情報の伝達具合を見るためにも重要だと思っています。
この手の調査を手法を確立して各地でできるといいなぁと思います。
あと、この演題の他の発表では、「調査用語の難しさ」という点を考えさせられました。
これまでのエイズ学会は、臨床系は言葉が難しいから社会系に、という人が多かったのですが、今回の学会は社会系の演題発表で統計用語や調査用語が頻繁に使われていて、社会系でも言葉の壁にぶつかる人が多いのではないかと言う危惧を感じました。
「学会参加者のための学会用語の基礎知識」とかが必要かも・・・・という想いがありますが、その余力があるのはどこなのかというと思いつかず、僕のように一応団体などに所属しているものの特に学会に関して何かアクションしているわけではない人間がやるべきことかもしれません。

2日目の最後は今回唯一出席したサテライトシンポジウムである「HIV診療支援ネットワーク(A-net)の将来像」。
HIV感染症というのは本格的な研究がはじまってまだ20年くらいの、歴史の浅い感染症ですので、基礎研究や臨床研究は日進月歩。あっという間に知識が古くなっていきます。
臨床の現場の質を全国的に高めるために最新の情報を共有するのが診療支援ネットワークです。これが立ち上がって10年経過し、その見直しなどについてのシンポジウムがこの時間帯に組まれました。
とはいえ、実は臨床上の情報は症例検討、つまりある患者さんのデータによってもたらされることが多くあります。ここでネット環境と言うことを加味すると、当然患者のプライバシーと言う重要な問題が浮上してくるわけです。
このシンポジウムでは釧路労災病院の宮城島先生が地方医療の立場からコメントされていて興味深かったのですが、もっともっと医療格差の是正に突っ込んだ話ができても良かったかもしれません。どんな昨日が会ったらいいかと言う話に時間を使いすぎた印象がありました。


2日目は終了後、地元の知り合いと手羽先を食べにいったりしました。知り合いといってもこの日僕が出れなかったあるセッションで発表者になっていたのですが。
3日間ヘビーな学会の中で貴重な楽しい時間をすごすことができました。
ちなみにこの人から借りたのが、12/1の記事の画像につかったものであります。
posted by sakura at 23:59| Comment(0) | TrackBack(0) | ボランティア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年12月20日

朝からフルスロットルなエイズ学会1日目とか。

大幅に遅くなりましたが、毎年の慣例を守りまして日本エイズ学会の報告をアップしていきたいと思います。
日付は繰り上げています。

電光掲示板.jpg

今年の会場は名古屋国際会議場。
参加者からは「無駄に広くて移動が大変」という悩みが聞かれるほどの会場でした。血友病の方とかは本気で大変そうでした。

さて初日の朝は、日本のMSM(Men who have sex with men)関連の研究の第一人者、市川先生が学会長だけあって、MSMの一般演題がいきなり組まれました。

その冒頭から日本人男性の中でのMSM人口を推定する調査がついに全国規模に。今回の調査結果での推測は成人男性の2%がMSMとのことで、ただし別の研究で実際にはもう少し高い可能性もありそうで、このあたりは調査方法を無作為抽出するのかなどの問題がありますね(国によっては徴兵のときの調査などもあるようです)。
各国でいろいろな方法で調査したときのデータが紹介されましたがやはりばらつきが目立つ結果に。
ちなみに一番高い数字を示していた国はオランダでしたが、これは性的な指向をどのくらい研究者にオープンにできるかというあたりの差かなと思います。
あと、「REACH Online 2008」をはじめ、リスキーなセックスをしてしまうに至る背景の研究が並んでいてなかなか面白かったです。旅先でリスキーなセックスをする人が、旅行先の地域にはあまりかかわらず、3割くらいの比率で出てくることなどが示されました。

続く一般演題は今回初登場の演題、コミュニティ。
東京以外にも仙台や横浜、福岡のゲイコミュニティでの予防啓発活動や調査結果の発表がありました。
コミュニティでの活動でよく話題にのぼるのは、ある程度年齢の高い層になかなか予防啓発のメッセージが届かない、という話です(若年層は若年層で大変なのですが)。
で、この「ある程度年齢の高い」というのを、僕らはおおむね50才あたりで区切っていたのですが、福岡だけがちょっと状況が違っていて、ほかの地域での活動に比べて、啓発効果が出ている層が若い方にずれている印象があって興味深かったです。
また、コミュニティの枠ではゲイ向けだけではなく、セックスワーカーについての発表もありました。
実は学会前日に上智大学で開催されたブラジルのHIV予防活動の講演会(学会では28日に開催)でセックスワーカーのコミュニティの話も聞いていたので、日本でセックスワーカーがコミュニティという形になっていないことの弊害などを再確認できました。

ここまできてお昼に。学会のランチタイムと言えば恒例のランチョンセミナーです。僕がチョイスしたセミナーは「HIV治療の新展開」。
日本で一番患者の多いエイズ拠点病院のボス、国立国際医療センターの岡先生の発表でした。
さあここから抗HIV薬についてマニアックな解説ですよ(爆)。
薬の組み合わせとして今は「キードラッグ」と「バックボーンドラッグ」という考え方があり、組み合わせて飲みます。なので複数の薬剤を混ぜて使うから「カクテル療法」なんて言うわけですね。
これまでは薬の効き方の仕組みによってキードラッグかバックボーンドラッグに振り分けられていたのですが、この学会でも非常に多く取り上げられた新薬であるラルテグラビル(商品名はアイセントレス)は、現在はキードラッグとして使われているものの、実はバックボーンにもなりうるのではないかという見解が示されたのです。
これが可能になると、薬の組み合わせのパターンも非常に広がります。広がるということは最初の投薬の選択肢が増えるだけでなく、副作用や耐性などで使える薬が減っても、まだ使える組み合わせが残りやすくもなるわけです。
ただ、アイセントレス自体は薬剤耐性ができやすいとの話もありました。
ともかくもアイセントレスに関しては今後もさまざまな治験や研究が行われていくことになるのではないかと感じています。

そんな話を聞いた後、さらに一般演題の抗HIV療法へ。
ダルナビル(商品名はプリジスタ)やエトラビリン(商品名はインテレンス)についての発表もあったのですが、まあ全体を通してラルテグラビル特集、という感じでした。
ほとんどの研究でウイルス抑制効果が高いことが示されていました。検出限界値以下まで下がるのにかかる時間が短いということですね。その一方で、CD4の上昇スピードはそこまで速くなく、横ばいの状態が続く方もいる模様。
飲む側からすれば、実はこういう情報を得ているかどうかが大きいのかな、と思います。なかなかCD4上がらないな、と不安に思いながら飲み続けるよりも、とにかく素早くウイルスを減らして安定させる薬なんだ、と思って飲み続けるほうが楽だと思うんですよね。どんな病気でも治療を続けるために最も重要なのはモチベーションだと思うのです。
ただし、まだアイセントレスそのものの副作用などについては、より多くの症例での検討が必要なようですから、本当のアイセントレスの評価は来年の学会で、ということかもしれません。
ちなみにこの演題では、仕事上の都合やむを得ず東海地方のゲイネタに異様に詳しくなってしまったことで昨年も取り上げた、山田赤十字病院の坂部先生が登場。昨年に引き続き素晴らしい発表で、抗HIV療法の一般演題で会場を笑いで包むという離れ業を見事に演じ、著名な諸先生方から絶賛されていました(注:本人は笑いをとるつもりはたぶんないです)。

なぜかこの日は気分的に臨床系に突っ込んでいきたい衝動にかられ、さらに一般演題の肝炎2・STI・STDに。
たださすがにこれは難しかったです。
大阪府立公衆衛生研究所の川畑先生がB型肝炎ウイルス(HBV)の遺伝子型の発表をされていて、大阪のMSMの間で日本では極めて稀なタイプGのHBVが見つかっていることなどを発表されていたのですが、僕自身が肝炎についてはまだ勉強不足なので、肝炎に関する臨床トークはさすがについていけませんでした。
梅毒やアメーバ赤痢は思ったよりいけたのですが・・・・こういう自分の知識の偏りに気がつくのもまた学会での重要な気づきではありますね。
梅毒は東京医科大の症例検討からでしたが、フロアからの質問でパートナーとのピンポン感染の話が振られ、それに対して山元先生が「といってもセックスの相手が不特定な例が多いんで・・・・」と非常にいいにくそうにしていたのが大変印象的でした(笑)。あと、終始楽しそうでご本人も「梅毒研究大好き」と公言している、しらかば診療所の井戸田先生も印象深かったですね。

この日の最後は、前の記事でも触れたシンポジウム「MSM社会とのインターフェイス」。臨床系研究と社会系研究のコラボレーションを掲げたシンポジウムです。
裏番組が強敵揃いで参加者は少なめでしたが、MSM向けの予防に関わるNGO関係者が多く見られました。本当は、コラボシンポジウムという特性上、裏番組に「治療の手引き」なんかぶつけちゃいけないんじゃないかと思われるのですが。
でも内容はなかなか。話題の方向が「臨床とMSM向けの予防施策の協働」という方向に行ったので、自分に非常に合った内容になりました。
特に、前のSTDの演題でも登壇された川畑先生が、このシンポジウムではMASH大阪や戦略研究との連携について、データ重視のHBVとはまったく違う表情で語られていたのが印象的でした。この人は現場の人だな、という感じで、コミュニティと接してみて初めて見えることを語られていました。
でもそれは裏返すと、コミュニティが見えにくい地方などでは接する機会がまず生まれにくいということでもあると思います。なんとなくHIVの臨床医の先生はそれなりにMSMフレンドリーなんじゃないかと思いがちだけれど、フレンドリー以前にMSMという言葉さえ知らない人もいて、医師の数や設備だけではない「格差」を生んでいる気がします。
同時に、実はコミュニティの側にも、臨床の現場とつながるだけの準備が求められるのではないかとも、コミュニティベースで活動している身には強く感じられました。去年の地方医療のシンポジウムで愛媛大の高田先生が「MSMの人たちから学ぶことが多い」とおっしゃっていたことを思い出しました。


こんな感じで一日目はMSMに始まってMSMに終わるということになりました。
以下3日間の学会報告にお付き合いください。
posted by sakura at 23:59| Comment(0) | TrackBack(0) | ボランティア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年12月01日

エイズ学会からエイズデーという日常の延長線とか。

学会誌2009.jpg

今日は世界エイズデーです。
毎年のことながら、学会明けにはエイズデー、という流れが定着しておりまして、今年は名古屋で開催された第23回日本エイズ学会に参加しました。
詳細の長文報告は今年もこの先順次アップしていきますが、まずは昨年同様今年の学会のメニューから。

11月26日(木)
09:10〜10:10 一般演題3(MSM1)
10:20〜11:40 一般演題4(コミュニティ)
12:00〜13:00 ランチョンセミナー3(新薬関係)
13:30〜14:40 一般演題15(抗HIV療法新薬1)
14:40〜15:30 一般演題16(抗HIV療法新薬2)
16:40〜17:30 一般演題25(肝炎・STI・STD)
18:00〜19:30 臨床/社会コラボシンポジウム(MSM関係)

11月27日(金)
09:20〜10:50 ラウンジセッション2(海外事例関係)
11:50〜12:50 ラウンジセッション3(エイズ予防財団関係)
14:00〜14:30 アルトマーク賞受賞講演(NGO関係)
14:40〜16:40 シンポジウム6(陽性者支援関係)
16:50〜17:30 一般演題29(薬害)
17:40〜18:30 一般演題30(MSM2)
18:40〜20:10 サテライトシンポジウム6(医療体制関係)

11月28日(土)
09:00〜09:50 一般演題43(ソーシャルワーク)
10:00〜11:00 一般演題44(陽性者支援1)
11:00〜12:00 一般演題45(陽性者支援2)
13:00〜14:00 一般演題46(就労支援)
14:30〜16:30 シンポジウム9(NGO関係)

ほとんど時間割って感じですね・・・・。
今年は、社会系だけではなくて、臨床そのものの抗HIV療法の一般演題とかにもトライしてみました。

学会の参加は一年を振り返る機会でもあり、また各地で活動している様々な仲間たちに会うことができます。今年はゲイコミュニティにもゆかりの深い市川誠一先生が学会長ということもあって、全国各地のNGOやCBOの人と会うことができ、またそうした団体にとてもフレンドリーな臨床医の先生との出会いもあるなど、充実した学会になりました。

そんな報告は追ってしますが、様々な人と会う機会といいながら、なんとこー君が来ていたことを知らず、会うチャンスを逸してしまいました。
あ、そこで「ワルダクミ・メガネーズも案外連携が悪いのね」と思った方、それは違います。何しろ僕がこー君が行っていたシンポジウムに行かなかったのは、同じ時間帯に、某くま絵師のパートナー氏(砂川さん)が出ていたシンポジウムに出ていたのです(苦笑)。
こちらは一般公開ではなかったのでした。

そんなすれ違いはありましたが、もちろん学会中に企んでいた企画は実行に移しました。
というわけで、以下の画像に続きます。ある意味新鮮味の無い画像。
posted by sakura at 23:56| Comment(2) | TrackBack(0) | ボランティア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

広告


この広告は60日以上更新がないブログに表示がされております。

以下のいずれかの方法で非表示にすることが可能です。

・記事の投稿、編集をおこなう
・マイブログの【設定】 > 【広告設定】 より、「60日間更新が無い場合」 の 「広告を表示しない」にチェックを入れて保存する。


×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。