2012年12月31日

40代になったあわただしい一年を振り返りつつ来年へとか。

今年は本当にブログの更新が滞ってしまいましたが、一年の最後にちょっと振り返ろうと思います。

去年からやっているワルダクミ★メガネーズの活動は、展示だけでなく同人誌の制作販売という新しい方向に一歩踏み出し、一年間続けることができました。
震災関連では、福島での市民活動を紹介するイベント「ふくしまの話を聞こう」のスタッフを4月にやり、また来年1月13日に予定している、東日本大震災被災地応援コンサートで久々にコンサートブラスにチャレンジすることになりました。

そしてエイズボランティアでは11月に新しいイベント「QOGL」をスタートさせました。
このイベントはゲイ・バイセクシュアル男性の生活の質を考えるイベントとして年3回くらい開催していく予定です。

なんだかんだで本当に忙しい一年でしたが、全然ブログで告知できなかったのが最大の反省点で、来年はまずそこからどうにかしていこうと思います。


2012年お世話になった皆様本当にありがとうございました。
2013年もよろしくお願いします。

2013年もよろしく.jpg
posted by sakura at 23:25| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年12月30日

予防啓発と検査と支援の関係性が問われる日本エイズ学会報告郵送検査編とか。

年の瀬のご挨拶の前にもうひとつだけ学会報告を。
4本目のエイズ学会報告は臨床と社会をつなぐ【HIV検査の方向性】を取り上げていきたいと思います。いろいろ考えて今年はこれをラストにしようと思います。
検査の話ですが、治療の開始時期の話と絡んでいる問題でもあります。

アフリカで、陽性者と陰性者のカップルを対象に、陽性者を早期治療すると陰性者への感染率が低くなるという実験結果が出たという話、聞いたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
もう少し細かく説明すると、陽性者と陰性者のカップルを無作為に2グループにわけて、片方はCD4が一定以下になるまで投薬しない、片方はCD4を無視して治療を即開始するというグループに分けての研究で、全てのカップルにはセーファーセックスに関する知識や意識付けの教育を実施し(ここで差が出ると比較対象にならない)、それでもセーファーセックスがうまくいかずに感染してしまうケースがどのくらいあるのかを追跡するというものです。
で、2つのグループで感染が成立してしまう割合に変わりがなければ、治療開始時期が予防に影響を与えないっていう結果になったのですが、実際には早期に治療したほうが圧倒的に感染成立が少なかったため、陽性者を早々に投薬治療してウイルス量を下げておけば、セーファーセックスに失敗しても感染が起きにくいっていうことが証明されたという話です。

つまり、「感染拡大を防ぐ、予防のために治療しよう」ということです。
「予防のための治療」ということで、“Treat as Prevention”、略してTaPと呼ばれます(本当にHIV界隈は何でも略すのが好きですね)。
しかしながら予防のための治療のためには、当たり前ですが治療の対象を見つけなければなりません。
そのため、「バンバン検査してまだ見つかっていない陽性者をどんどん見つけよう!」的な考え方を持っている人たちを後押しする形になっているのです。

ただ、検査を推進する側の言い分はわかるものの、検査を受ける側、また実際に検査を担当する人の状況はどうなのでしょう。
かつて告知状況についての陽性者アンケート調査がありましたが、告知時の状況は必ずしもスムーズな受診につながるものとは限らず、告知担当者のスキルが非常に問われるものであると思います。

そんな中で、今回の学会は郵送検査に関する内容がとても多かったのが印象的でした。
中でも僕が個人的にもとても注目していた一般演題発表の一つが、MASH大阪の郵送検査(演題番号O23-107)。MSM向けに実施するということは陽性率がある程度高い可能性がある層を対象にしているわけでよりセンシティブです。
もちろん実施側もわかっているので、郵送検査キットをイベントで配布して、当日は検査会社の人をイベント会場のブースに呼び、電話相談や対面での告知が可能な状況を整備して、数ヶ月に及ぶフォロー期間を準備しての取り組みでした。
これ聞いていた方はわかると思うのですが、発表者は批判を覚悟で発表していたと思います。実際の検査利用者がフォロー体制にどのくらい乗ってくるのかわからないし、一人で自宅でネットで告知を受けることも可能なので、そこで陽性の告知を受けた場合のフォローはどこまでやっても結局は当人の行動にゆだねられるわけです。

ただ、この演題、前のレポートでも紹介したHaaTえひめの人がぼそっとこんなことを言っていたんですよね。
「地方で早期発見を目指すなら、郵送検査を選択肢の一つにしないと難しいんじゃないかな」
地方ではまだまだ平日の昼しか検査やっていないとかいうエリアもあり、町のクリニックは待合室に知り合いがたくさんいる(クリニックの選択肢が少ない)といった環境で「早期発見」を目指すには、どうしたらいいのかということですね。
早期発見という意味合いよりは、発症する前に感染に気がつくことができる環境を整える、という言い方がいいかもしれません。

ごく最近郵送検査が6万件を超えたというニュースがありましたが、企業サイドからフォローアップに関する話題も出ていました。
http://www.sankeibiz.jp/econome/news/121225/ecb1212250951000-n1.htm
社名ではピンとこなくても「STD研究所」というサイトは知っているかも。そしてこの会社こそ、大阪の検査でイベント会場にブースを出した会社なのです。

アメリカのガイドラインはCD4の数値関係なく即投薬へと動いているという報告もありました。検査から治療までが短くなっていく中で、どんなフォローができるのか、そして早期発見の名の下にしていいこととしてはいけないことはどう線が引かれるのか、慎重に推移を見ていくことが大事だろうと思います。

最終日の公開講座の座長でもあった、産経新聞の宮田さんがまとまった記事を書かれました。
予防としての支援、という言葉、これから重要なキーワードになりそうです。
こちらもご参照ください。
http://sankei.jp.msn.com/life/news/121212/bdy12121207400004-n1.htm
posted by sakura at 23:14| Comment(0) | TrackBack(0) | ボランティア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年12月29日

これからへの展望を予感する日本エイズ学会報告抗HIV薬編とか。

続いて学会報告です。
三番目に取り上げるキーワードは、【新しい治療コンセプト】です。

薬の話については、今年は中間報告っぽい話題が多かった気がします。シーエルセントリの実績報告も名古屋医療センターなどからありましたが、エジュラントはあまりなかったし、これは来年が本格的になるのかなと思います。来年の熊本学会は抗HIV薬の世界的第一人者である満屋先生が学会長なので、それもあって薬関係は来年盛り上がると思うんですよね。
今年はスカラシップで参加された陽性者の方向けに薬剤名と略語の対照表を配ったりしたのですが、どのくらい役に立ったんだろう、って感じでした。

そうしたわけで今年の学会は、どちらかというと「今後の展望」的な話題がいくつかありました。
話題としては、“NRTI-Spared”と“STR”の話です。なんだその略語、ってことでレポートしていきます。

“NRTI-Spared”はNRTIを使わない処方、つまりツルバダやエプジコムをつかわない処方のことです。
インテグラ―ゼ阻害薬のアイセントレスが登場して、「アイセントレス+カレトラ」「アイセントレス+プリジスタナイーブ」みたいな処方でもいけるんじゃないかという話が出たのが、一昨年。去年は実際にやってみていけるという話。今年はもう少し踏み込んだ分析がありました。

副作用も少ないのでものすごく期待されていた、アイセントレス+プリジスタナイーブですが、実はウイルス量が多い人だとウイルス学的な失敗(ウイルスの減りが悪い)が多いという報告がありました。
膨大なデータがあるわけではないので絶対的な指標ではないのですが、特にウイルス量が10万コピー以上で投薬を始めた時に成績があまり良くないとのことです。
逆に言えば、それなりに早期発見できた人や、ツルバダやエプジコムである程度はウイルスを抑えたけれど副作用などの関係で切り替える人(プリジスタナイーブではなくプリジスタってことになりますが)はそこそこ効果があることもわかってきたということですね。
これ、言いかえると、インテグラーゼ阻害剤の新薬が出てくれば、アイセントレスではなくその新薬を組み合わせることができる可能性も充分広がり、薬の組み合わせとして第一選択ではないものの選択肢は広がるという期待がかなり高いと考えていいと思われます。

そしてインテグラーゼ阻害剤の新薬は来年あたりの導入に向けてすでに控えています。
それはドルテグラビル(商品名はまた別につけられるはずです)。これは1日1回服用のインテグラーゼ阻害薬で、効果も全くこれまでの薬に劣らないことがすでに確認されています。

インテグラーゼ阻害剤の新薬はもう一つエルビテグラビルがあるのですが、こちらはツルバダなどとの合剤として発売される見込みなのでNRTI-Sparedということにはなりません・・・・で、こっちが“STR”なのです。

“STR”は“Single Tablet Regimen”の略。つまり1回の服薬が1錠で済む処方ということです。
ツルバダとエルビテグラビルにブースター(抗HIV薬の効果を高めるための薬)のコビシスタートという薬を合わせた合剤、ストリビルド(Stribild)が登場します。
これは1日1回1錠ですむ薬です。大きさはやや大きいのですがエプジコムとか何の問題もなく飲める人ならまあいけるような感じがしますね。
ただこれ、今のところ薬価がかなり高くなることが見込まれていて、バンバン導入するってわけにもいかない様子。患者は公的な補助がありますが、薬価が高いってことは病院や院外処方薬局は先払いで購入しておかないといけないので負担が増えます。もちろん公費の補助も増えることにはなりますが、病院なり薬局が採用してくれないとそもそも処方されることは無いので、そちらの動向も気になるところです。

ちなみにストリビルド、ちょっと前まで「クワッド」と呼ばれていたものです。こちらの名前で聞いたことがある人もいるかもしれませんね。

年末のばたばたの中ですが、レポートはあとひとつあげます。
posted by sakura at 23:59| Comment(0) | TrackBack(0) | ボランティア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年12月27日

地方の時代が来た予感が確信にかわる日本エイズ学会報告MSM編とか。

エイズ学会報告、社会系はやっぱり【MSM】からです。
ちなみにMSMっていうのは男性とセックスする男性のことです。自己認識のセクシュアリティーに関係なく、行動として男性とセックスをしている人全般をさしています。

MSMっていうと、これまでだとだいたい首都圏と阪神圏中心、プラス福岡と名古屋みたいな感じだったのですが、今年は違いました。
東京・大阪の次に発表が多かった地域は、なんと愛媛。
全国の政令指定都市の半分以上を抜き去って愛媛。これは画期的なことです。

とはいえ、僕自身MSM向けのボランティア活動とかしていて、これは実は驚くべきことでも何でもなくて、当然の帰結だなって感じがしました。
愛媛でMSM向けの活動をしている「HaaTえひめ」という団体があるのですが、ここ数年の活動状況から言って、こうなるのも時間の問題だってことはMSM関係者はわかっていたことだったのです。それだけ彼らは様々な活動をしていて、単なる予防啓発だけではなくて陽性者の手記リーディングイベントやティーンエージャーのMSMを応援するイベントなど様々な切り口の活動を展開しています。
熱心に活動している人がいる地域が盛り上がるのは当たり前。
むしろ、何もない地域の行政の人とかにこのインパクトを感じてほしいと思います。地域のMSMの人が名乗りを上げて動き始めるのを待つことが行政の仕事ではありません。
全体のまとめをするラパトアセッションでも、都市型モデルから各地方でのカスタマイズモデルの時代へ転換しつつあることが指摘されていましたが、その地域に合った活動をどう展開するのか、CBOを行政がどうバックアップするのか、CBOが無い地域なら行政は何をすべきなのか、そこがこれからの行政の課題というものでしょう。

まあ同じようなボランティアしているところからしてみると、HaaTえひめの活躍ぶりはプレッシャー以外の何物でもないのですけどね(爆)。

それから、MSMの話題が今年はMSMの一般演題だけではなくて、検査相談体制の演題などでも多く出ていました。
これは名古屋市立大学の市川誠一先生が中心になった「エイズ予防のための戦略研究」が2010年に終わって、その後コミュニティーセンターが事業化されたり保健師向けの研修が実施されたりという流れができたことも一つの要因かと思います。
ちょっと前の学会では「うちにはMSMの患者はいません」とか豪語するブロック拠点病院の医師とかいたわけなんですが、そういう時代に学会参加をはじめた身としては、保健師さんや医療関係者も多い検査相談体制の演題にMSMがより深く入っていくことは重要だと思うし、感慨深いですね。
その市川先生は、エイズ学会で功績を認められた人が年に一人だけ表彰されるアルトマーク賞に選出されました。
戦略研究に関わった団体の人がほぼ勢揃いで受賞講演を聞き、先生に内緒で用意した花束と色紙を渡し、プレナリーセッションそっちのけで(岩本先生すみません)、会場の廊下で市川先生を囲みました。市川先生の奥様も来られていてご挨拶をいただいたりしました。JaNP+の長谷川さんが感極まって号泣され、それが引き金で全員涙腺がやばいことになっていて、何もご存じない方が端から見ると異様な光景だったと思います(でもそれだけの想いがあったということです)。

HIVはMSM特有の病気ではないものの、MSM側の視点から見たときに、MSMのコミュニティーというものがあるとすればコミュニティーにとっての重要な健康上の課題であることは間違いありません。そうした視点の転換を僕に教えてくれたのも今思えば市川先生でした。
シンポジウムなどでアジアのMSMの話題も出ていたのですが、台湾では毎年1500人規模のMSMの新規感染がわかる状況である一方、MSM向けのHIV予防啓発活動をすることがMSMへの差別偏見を強めるのではないかという懸念があってなかなか推進(特に予算化の面で)ができないとの報告がありました。
その懸念はわかるのですが、かといって突きつけられている現状は早急な対策が必要であることを示しています。おそらくこうした懸念はコミュニティーと行政の双方から出ていると思うのですが、ではどのような方法や規模の活動を展開したらいいのかということに踏み込んで活動が進むことを願いたいと思います。

あともう一つ、福岡の報告のある数字が目に留まりました。
福岡でやったゲイのスポーツイベントに連動してMSM向けの検査会を実施したところ、陽性率(検査を受けた人の中の陽性割合)は5%くらいだったとのこと。
この5%って数字、実は名古屋や大阪といった他の地域のMSM向けの検査イベントなどを見ても、妥当な感じのある数字なのです。
こうしたイベントの場合、MSM限定でなおかつリスク行動の経験のある人が検査の対象になるので、MSM全体の陽性率から見ると高めに振れることは計算に入れないといけないのですが(完全セーフでセックスしているMSMの比率がわからないので)、だいたいどこのイベントでも3〜5%くらいの数字が出るんですよね。
なので、この数字を見たときに、「福岡でもやっぱりそうなのか」という印象があったのです。
ただ、こうしたデータは都市部のデータばかりなので、地方はどうなのかとか、まだまだ実態は不明なところもあります。

MSMの問題だけに限りませんが、都市から地方へという流れの中で、地方では特に声をあげる人が出にくいであろうMSMのことをどう扱っていくのかが重要です。
折しも、学会は来年は熊本。
地方で開催される学会でMSM向けの取り組みが地域の保健所の方とかに伝わるようにしていかないとな、と思い直しています。

まあとりあえず、松山より規模が大きくてでもMSM向けには何もやっていない地域に学会が行きますように(もちろん熊本もそういうエリアです)。

MSM関係はもう少し検査のことを書きたいのですが、それは単独のレポートに。
posted by sakura at 23:25| Comment(0) | TrackBack(0) | ボランティア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年12月26日

また新しい課題が登場した日本エイズ学会報告HAND編とか。

ばたばたして全然更新できていなくてすみません。
でも、学会の報告だけはちゃんとやろうと思いました。

慶應大学日吉キャンパスで開催された、第26回日本エイズ学会から1ヶ月が経過しました。
形式はここ数年と同じように、今年のキーワードを軸に何本かアップしていく形式です。

まず最初に取り上げるのは、今年臨床系で話題沸騰、【HAND】であります。

HANDは“HIV-Associated Neurocognitive Disorders”の略です。neurocognitiveって滅多に目にしない単語ですが、「認知神経科学的な」などと略される言葉で、HANDの訳は「HIV関連神経認知障害」となるそうです。
認知障害というと、以前は痴呆症と言われていた高齢者の「認知症」を想像しがちですが、HANDというのはもっと幅の広い言葉のようで、認知機能の低下レベルに応じていくつかの段階があるようです。

・HIV関連認知症(HAD = HIV-Associated Dementia)
 →重症の認知機能障害、運動/行動異常がある

・軽度神経認知障害(MND = Mild Neurocognitive Disorder)
 →転倒しやすいなど、日常生活に軽度の障害がある

・無症候性神経認知障害(ANI = Asymptomatic Neurocognitive Impairment)
 →日常生活上では症状が見られないが神経心理試験などにひっかかる

このうちHADは目に見える障害なので、逆にこれまでの治療の過程でもまず見逃されることはなかったわけですが、実はよく調べてみるとHIV陽性者に同じ世代の陰性の人に比べて軽い認知障害がみられる事例が多いことがわかって、これからはMNDやANIにも注意しましょうという流れになっていて、今回の学会で突然注目を集めたということなのです。
認知機能障害は軽度であっても、薬の飲み忘れが増えるリスクがあるとか、転倒しやすくなったりということがあります。最近は骨密度の低下の副作用が話題になっていましたので、それに加えて認知機能障害で転倒が増えれば当然骨折のリスクが高いということにもなりますね。

そこで問題になるのが、「じゃあどうやって判定するの?」ということなんです。
認知機能を判定するための神経心理試験などの検査、本格的にやろうとすると一人2時間とかかかってしまうそうなのです。
これ全員にやろうとすると、患者さんが集中している病院では物理的に無理だろって話。なので、まずはそうした本格的な検査が必要な人とそうでない人を見分ける手法を確立することが必要、っていうのが臨床的に課題になっているわけです。

ヨーロッパのガイドラインには既に、簡単な質問を3点実施して、それによって気になる所見があれば本格的な検査に進む、ということが盛り込まれているそうなのですが、日本人の性格的なものを考慮して日本版のHANDスクリーニング法(検査が必要な人をふるい分けする方法)が必要だという提言がありました。
日本人は曖昧な回答をしがちなので、ヨーロッパの質問をそのまま導入しても判定しにくい可能性があるので、日本人向けのものを開発しようってことです。

それからもうひとつ重要なのは、認知機能の検査にひっかかったときに、HIV以外の原因ではないのかをきちんと検査すること。
HIVが脳の血管に炎症を起こすなどして起こるのがHANDなのですが、HIV陽性者の寿命が延びた今、別にHANDでなくても高齢による認知障害が起きたりすることはあるわけで、そこをきちんと鑑別しないと、適切な治療ができないわけです。

HANDの治療についてもちょっと解説がありました。抗HIV薬の中には脳にいるHIVに影響を与えやすいものと与えにくいものがあることがわかっていて、つまり与えやすい薬に変えると、HIVが原因だった場合は認知機能障害が低減するわけです。今後出てくる新しい薬も脳への影響が常に評価されていくと思います。
なので、HIVが原因ならそうした治療が効果が期待できるわけですが、HIVが原因ではなかった場合をきちんと見分けず薬を変えると、これまで効果が高かった薬をわざわざ変えて、副作用なんかも出たりして、でも認知機能は改善しない、みたいな状況になることも考えられます。なので鑑別がまさに大事なのです。

逆に患者側としても、「最近物忘れがひどい」「何もないところでよく転ぶようになった」なんてことは感染症の外来ではあまり言わないことだったと思うのですが、これからはちょっと相談してみてもいいかもしれません。
メンタルヘルスの問題なども認知機能は関わるので、患者自ら勝手に診断するのではなく、可能性の一つとして主治医と一緒に考えてみるのがいいんじゃないかという印象をもちました。

今年の学会報告は多分4本かなと思います。あいにく画像をほとんどとっていないのでテキスト中心ですがご容赦ください。
posted by sakura at 22:52| Comment(0) | TrackBack(0) | ボランティア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年09月14日

緊急開催されたパレード合わせでブログも再開とか。

たいへんご無沙汰いたしました。
更新が途絶えている間は、実にいろいろなことがありました。
一番大きかったのは本職での異動。その他にも、福島で暮らし続ける方の取り組みに学ぶという主旨の会のスタッフをしたり、同人誌即売会で売り子やったり、NLGRに行ったり、社会医学会に参加したりと、まあイベントごとも多かったので、TwitterやFacebookに任せてしまう感じです。
もっともFacebookは昔の上司や同僚ともつながっていたりするので内容を選ぶことも多くありますが。

さてさて、8/11にSave the Prideのパレードがあったので、ブログ再開パレードの報告は恒例記事なのでそれをもって再スタートを切ろうかと思います。それもひと月前ですが・・・・。

今回は東京プライドパレードの中止を受けての緊急開催という事で、みんなでブラスのような周到な事前準備が必要なイベントはなく、僕もステージよりブースを中心にまずは見て回る事に。
企業系のブースの様子などからご紹介しましょう。

Rent.jpg
RENTのブースは今年もしっかり出ていました。ちょうど今日から開催の東京国際レズビアン&ゲイ映画祭のブースと隣り合っていて一つのゾーンを形成していました。

InterBank1.jpg
InterBank2.jpg
パレードの横断幕は以前もありましたが、InterBankのブースが登場。各企業のダイバーシティーの取り組みについてのフライヤーを配っていて、ここではちょっと僕も本職の顔が出てしまいました。

L&GTimpani.jpg
レインボーなどのモチーフのアクセサリーを扱っているお店です。クマは非売品のマスコット。

アルファロメオfront.jpg
アルファロメオside.jpg
パレードのときは先導の役割を果たした、アルファロメオです。パレード直前までブースわきで目立っていました。

さてパレード本編ですが、ちょっとグダグダな整列でどうなるかと(苦笑)。ただ歩きやすい気温には恵まれました。
微妙に降らない程度に曇り.jpg

とりあえず映画祭関連のパーティー(今回は一つの隊列の塊を「パーティー」と称していました)に。
ボランティアつながりの知り合いがちょうど前に居てなかなか絵になる感じだったので撮らせてもらいました。
映画祭パーティー.jpg

勢いで背後のグループのみなさんも。このフラッグは結構目立っていたのではないかと思います。
レインボーフラッグ.jpg

沿道にはHIV関連でもお世話になっている方たちも応援してくださっていました。
沿道に大御所.jpg

タワーレコードのあたりから宮下公園のガードあたりです。このあたりは大学時代の想い出深いエリア。
TowerRecord前.jpg

原宿あたりは東京プライドパレードでもゴール近くで常に沿道にも人が多いエリアです。
原宿の歩道橋から.jpg

そして間もなくゴールというあたり。仕事で歩いたら絶対疲れきるルートでもこの集団で歩くとあっという間なのが不思議です。
代々木公園近く.jpg

まあ無事に終わって何よりではありました。

ちなみに会場で手に入れたグッズの数々がこちら。アルファロメオのパッケージに入っているのはコンドームです。
Goods.jpg

おまけ。新宿御苑近くのフレッシュネスで見かけたレインボーフラッグ。パレード合わせで大きめのものを設置して下さったらしいです。
フレッシュネスバーガー.jpg



posted by sakura at 00:12| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年02月29日

異動と慌しい日々と寒の戻りとか。

まさか2012年の初日記がここまでずれ込むとは思いませんでした。
ごぶさたしております。

Twitterなど移動中に携帯でできる媒体では普通にやっているものの、ブログはなかなかまとまった時間と気力がとれずにずるずると引っ張ってしまいました。
原因ははっきりしています。
異動です。

実は職場の引越し+異動という感じで、本来の業務外の業務がとても多くなっているのです。
異動といっても配置換えというよりも組織変更に伴うものでして、引越しが終わってしまえば、業務内容的にはこれまでの業務の延長上にあることなのですが、組織の枠組みも変わるので、ハードソフト両面で新体制への移行に迫られているという感じです。

でもまあようやく半分が終わりました。
あとは2週間後くらいに一気になんとか、という感じでしょうか。


一方で、昨年春から、悠君とのユニット「ワルダクミ★メガネーズ」でやってきたことは、着々と進んでいて、思いがけないラストイベント追加が発生しました。
なんと大阪のコミュニティーセンターdistaで、今日から2週間。
しかも東京にはなかった追加展示作品あり。
詳細は以下のようになっております。


-----
雪華の宴 〜寒の戻り

期間:2012/02/29(水)〜03/12(月)
主催:ワルダクミ★メガネーズ
   https://twitter.com/W_meganees
場所:community space dista
   大阪市北区堂山町17-5 巽ビル4階
   Tel. 06-6361-9300

参加アーティスト(ABC順)
・glimus(BGM担当)
・ヒゲモリゲン
・日下田
・犬義
・村上シスラ
・村田ポコ
・おくら(大阪限定・追加作品)
・SUV
・龍谷尚樹(大阪限定・追加作品)
・悠
・悠次郎(大阪限定・追加作品)
-----

ちなみに悠次郎さんはワルダクミ★メガネーズ大阪支部長です。悠君が決めました(本部長ではなく東京支部長に人事権がある組織らしい)。
なおアーティストの詳しい紹介は悠君のブログにて!(いつもこの展開だな)
僕も悠君と一緒に3月4日にdistaに乗り込む予定です。
ただし僕だけ日帰りだけど(汗)。

今回もアーティストの方がポストカードを用意してくださっているそうです。
たくさんの方のご来場をお待ちしております。

posted by sakura at 23:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年12月31日

激動の年を経て新しい年へとか。

大震災のあった2011年が終わります。

震災を経て、ずっと考えていることは、生きることを考える、ということでした。
放射線の影響による病への忌避感はわかるのです。わかるのですが、病と生きることを否定することは行き過ぎているような気がします。
しかしそれを否定するメッセージをたくさん見てしまう一年でもありました。

来年もまた、病とともに生きることを考えながらの一年になるのだろうと思います。

皆様にとって2012年がすばらしい年でありますように。


2012年もよろしく.jpg
posted by sakura at 23:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年12月30日

学会を通してこれからのMSM向け対策を展望してみるとか。

学会の振り返りをもうひとつ。
この記事のキーワードは「ポスト戦略研究」にします。

僕もボランティアとして少しお手伝いしていたので、「エイズ予防のための戦略研究」(以下「戦略」とします)が3月で終わって、その発表が山のように学会で繰り広げられたのは感慨深いものがありました。
同時に「ちょっとこれ多くない?」という気も多少ありましたが(苦笑)。
2日目に2時間半という超長いシンポジウムがあり、一般演題でも1時間10分の「MSM-2」は全部戦略関連、ほかにも一般演題の口演が2本にポスターが2本とまあ膨大な発表がありました。

戦略はそれだけ大掛かりなプロジェクトで、首都圏では保健師研修、関西ではクリニックでのSTDも含めた1000円検査など、MSM(男性とセックスする男性を指す言葉)向けの活動だけでなく検査施設向けのことをやったり、webサイト「HIV」マップを作ったり、さまざまな冊子などの資材を作ってきました。
http://www.hiv-map.net/
そして、戦略研究の拠点となるのが東京は新宿二丁目にあるakta、大阪は堂山にあるdistaというコミュニティーセンターでした。
こうした拠点を持って、ゲイの人が多く集まる地域で予防啓発を実施する、ということへの効果が認められて、エイズ予防財団を通して各地のコミュニティーセンターが今年度から事業化されたことが、戦略の大きな成果であったといえると思います。

事業化されたのは、以下の6つのセンターです。
ZEL(仙台/運営はやろっこ)
akta(東京/運営はakta、旧称RainbowRing)
rise(名古屋/運営はANGEL LIFE NAGOYA)
dista(大阪/運営はMASH大阪)
haco(福岡/運営はLove Act Fukuoka)
mabui(那覇/運営はnankr)

さてこう書くと、多少コミュニティーセンターのことをご存知の方は、「あれ、横浜のSHIPは?」となると思います。
かながわレインボーセンターSHIPというのが横浜にあります。
http://www.ship.y-cru.com/
実はSHIP、そもそも資金の流れがまったく違うんです。これは神奈川県の「かながわボランタリー基金21」から資金が出ていて、エイズ予防のための戦略研究での事業化の枠の中に入っていないんですね。
なのでSHIPにはこの事業化に伴う後ろ盾はありません。

さらに地方に目を向けます。
国策である以上(エイズ予防財団は厚生労働省の直下)、もうちょっと地域的な公平性をはかろうとするなら、北海道と北陸と中四国にもセンターがあるべきです。
政令指定都市で言えば札幌、新潟、広島とありますしね。
しかしながら、今度は運営できる団体が必要です。それもこの事業はMSMを対象にした団体が必要です。
たとえば札幌にはWAVEさっぽろがありますが、バーのママさんたちによるグループなので、バーをやめてセンター事業を、というのは難しそうに思います。レッドリボンさっぽろはMSMオンリーではない、といった具合です。
北陸は・・・・今のところ僕が把握している団体はないです。
中四国はもともと薬害の方たちによる団体であったりょうちゃんずが広島にありますが、MSM向けのグループとなると瀬戸内海の反対側、松山にあるHaaTえひめがエリア内最大手ということになってしまいます。中四国っていうくくりも中国と四国に分けるべきという意見もあるかもしれません。
願望だけで言うなら、松山くらいの規模(人口50万で地域の中心地になっている都市)のところにはコミュニティーセンターあってもいいよね、くらいの気持ちなのですが、あとは予算の問題です。
ちなみにHaaTえひめはおそらく日本でも一、二を争う先駆的な予防啓発団体なので、お金さえあればあの人たちはすぐにでもやると思います(苦笑)。

コミュニティーセンター事業だけみても、大事なのはむしろこれからで、それこそ事業仕分けでなくならないように頑張っていかないといけないということが如実にわかるのですが、戦略全体を考えても、さまざまなイベントや冊子製作の費用は「調査研究費」としてお金が出ていたので、それがなくなり、事業として運営していかなければならない中、どんなふうにMSM向けの予防啓発活動を維持していくのか、ということが最大の課題であります。

で、また個人的な意見になってしまうんですけど、学会でよく医者が「20代の患者一人にかかる『公費』が生涯で1億円」とか抜かすわけですよ(今回も3回くらい聞いた)。その発言を聞くたびに、予防啓発って「その活動で何人の感染が防げたか」が算出できないので困るんですが、それでもX億の予算があればX人以上の感染予防ができるんじゃないかなぁとか思ってしまうのですよね(もちろん予算が少なくすむのにこしたことはありません)。

そういうわけで、戦略研究が終わって、予防啓発は試行錯誤や調査の時代から、費用対効果が評価される時代になったと言えそうです。調査は「この手法は効果がないことがわかりました」でも意味があるけれど、事業はそれでは意味がないのです。
戦略研究は東京ではエイズ発症でわかる人が減って早期発見率が上がりました。しかし大阪では逆の結果が出ました。これを分析評価して、さらにこれからの事業も同様に分析して、評価を受けながら進んでいくことになります。

そうそう、最後にもうひとつ。戦略のシンポジウムは二時間半の長丁場でしたが、学会でも他にないくらい、長い拍手をいただきました。関係者の人はけっこうその長さにぐっときていました。
僕もそうです。シンポジウムにいらっしゃった皆様ありがとうございました。
posted by sakura at 23:53| Comment(0) | TrackBack(0) | ボランティア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年12月25日

福祉とHIV/AIDSを考えるエイズ学会報告その1とか。

今年は学会以降毎週のようにイベントごとが続いたので、学会のまとめが遅くなってしまいました。
でも年越しは何とかさけて、きちんと今年のうちに振り返ろうと思います。

毎年エイズ学会の報告の形式は考えるところがあります。
日付別に書くと、基礎・臨床・社会の各分野の話が常に混ざることになるので、昨年はテーマごとに書いたのですが、横断的な話が扱いにくいということもありました。
そこで、今年はいっそのこと、僕がこれだと思ったシンポジウムや、演題発表についてダイレクトに書くことにしようと決めました。
とはいっても結局長文になってしまうのですが、よろしくお付き合いください。


まずは初日の夜の社会系のシンポジウムから。
ソーシャルワークのシンポジウム「HIV陽性者の包括的生活支援を目指して〜ソーシャルワーカーによるミクロ・メゾ・マクロ実践への挑戦」に行きました。
このシンポジウム、一番奥だしとても小ぢんまりとしていたけれど、内容的にはとても良かったです。陽性者向けのスカラシップの裏番組になってしまったのですが、当事者の人にもぜひ参加して欲しいシンポジウムでした。

まず良かったと感じた点は、本来は当たり前だろうという話になるべき部分ですが、HIVをめぐる諸問題がはじめて「地域福祉」の世界に降りてきた、という感じがあったこと。
調査研究レベルではなく、実践としての話です。

このシンポジウムは東京・八王子の社会福祉法人武蔵野会の山内さん、大阪・門真の地域生活支援センター「あん」の脊戸さんが地域福祉側のパネリストとして立ち、それに対して医療側も東京・駒込病院の関矢さん、大阪医療センターの岡本さんがパネリストとなり、概ね経験談ベースの話をしながら、和やかに困難さと今後に向けての提言をぶつけ合うという構成になっていました。聞いていないのでわからないのですが、多分スカラシップのシンポジウムより理解しやすかったと思います(憶測による風評の例)。

地域福祉とHIVは、最近は高齢陽性者の問題として語られることが多いのですが、それだけではなくて、例えば知的障害を持っているHIV陽性者、複合的な身体障害を持つ(場合によっては発症の後遺症であることも)HIV陽性者の問題も同様に存在するわけです。
メンタルヘルスに関連して精神障害や依存の部分はやや先行して語られていて、そのほかの福祉の分野はあまり触れられてこなかった部分だと考えます。

それらは細分化してしまうとまだまだレアなケースかもしれないのですが、「地域福祉」という大きな枠組みで捉えられて経験が共有されることは良いことだなぁと思うわけです。
そして、山内さんが「福祉施設が陽性者を自分たちのクライアントになりうる人々として受け止める」という、これも当然のことを「当たり前ですよね」で終わらずにきちんと分析されていたことが印象的でした。
陽性者の受け入れまでに福祉施設の中で現れる5段階のステップを分析されていたのですが、以下のようなものでした。
−−−−−ーーーーー
1 いきなりのエイズ
2 現場のたな卸しと整理
3 社会的使命による原動力
4 場の立ち上げと現場の納得
5 サービスを構造化する
ーーーーー−−−−−
中でも3番目のステップである「社会的使命感」と「現場の納得」を重要なポイントに挙げられていました。

受け入れを打診されたときに、まず打診された人が「社会的使命感」として受け入れを前向きに考えたとして、その次の「現場の納得」にこぎつけるまでが一番大変だという点で、医療側の岡本さんと完全に一致していたように感じられたのです。
岡本さんのほうは、「キーパーソンの心が折れないように支える」と表現されていました。

例えば、受け入れを検討するに当たって、施設長などがまず受け入れを検討することを決めて、施設のスタッフ会議や、医療と福祉が同席してのカンファレンスが実施されるわけですが、この場で現場の猛反発に合う、という事例が多々あるのだそうです。それは理解不足から来る根拠の無い不安などによるものなのでしょうが、知識を与えただけでは解消されないことがエピソードとして示されました。
福祉の人は困っている人には常に救いの手を差し伸べるだろうという理想的な福祉像はあっさり崩壊し、それぞれが現実的な解決策・・・受け入れるという解決策も受け入れないという解決策も起こりえますが、それをめぐって対立する構図になるという実例でした。

ところで、ある調査では、医療・福祉職にまとめられていましたが、就労中の陽性者のアンケートで10%くらいがこの職種にあると回答していました。つまり福祉施設にもある程度の陽性者が職員として入っているということです。必ずしもカムアウトを伴わない形で。
実は福祉の現場の理解ってそちらの意味でも重要で、例えばこの現場が猛反発しているカンファレンスに、職員の一人として陽性者が同席していたらどうでしょう。とんでもなくいたたまれないことは間違いないです。あるいは同僚の態度にキレてしまうかもしれない。
でもその場の勢いでのカムアウトとかは余計な混乱を招きそうですし、避けて欲しいと思います。
受け入れとしても、また働く場としても、本来福祉の職場ってもっと陽性者が理解されてしかるべきなのだと思うのです。

その一方で、福祉業界にいる立場としては、じゃあHIV、せめて免疫機能障害について学ぶ機会ってどのくらいの頻度で提供されるのか、と考えると、まあ全然無いよね、って思ってしまうのが実情なのです。現場は実務でいっぱいで、研修の時間は決して多くありません。
エイズが世の中に登場して30年、というフレーズは学会中なんども使われましたが、この30年の間、HIV/AIDSの問題は医療の内側にいる時間が長すぎて、福祉の世界ではまだ新しい課題のままなのかもしれません。
そのタイムラグを埋めないままに医療が福祉の世界にアプローチしても壁は高いのだろう、と思います。
そして医療側も福祉側も、もしかしたら当事者も、その壁をどうにか低くする努力をもっと重ねなければならないのだろうと思います。

などという語りも理想ではあるのですが、シンポジウムの中では、年齢層により受け入れへの前向きさ・後ろ向きさに違いがあるという話も出ました。
これはおそらく、30年前のエイズ報道から、日本にエイズが上陸してエイズパニックを引き起こしたあたりの記憶があるかどうかなのだろうと思います。
反対に、若い層では意外と抵抗が無い。このことは僕も大学の授業にゲスト講師として呼ばれたりする中でも実感していることです。

これから福祉の世界の担い手になる人たちに、福祉系の大学などの教育の場で、もっとHIVのことを伝えていく必要があるのだろうな、と自分の中ではまとめました。
ボランティア活動とは違う形で自分にできることも、より具体的にためして行くべき時期なのかもしれません。

学会報告はあと2回くらい続きます。
学会以外にも報告したいことがたくさんあるのですが、果たして年内に終わるのか・・・・(苦笑)。
posted by sakura at 23:58| Comment(0) | TrackBack(0) | ボランティア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

広告


この広告は60日以上更新がないブログに表示がされております。

以下のいずれかの方法で非表示にすることが可能です。

・記事の投稿、編集をおこなう
・マイブログの【設定】 > 【広告設定】 より、「60日間更新が無い場合」 の 「広告を表示しない」にチェックを入れて保存する。


×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。